今年の雨季は例年に増して雨が多いバリ島です。
バリ島の雨季は、家が雨漏りしたり、あちこちで洪水になったり、大変なことが多い季節です
もうバリで暮らすの嫌!ってなっちゃうのもこの季節ですよね
ところで、なんで雨季になると雨が降るのか知っていますか?
「バリ島には雨季と乾季があって、4月~10月の乾季は雨が降らなくて、11月~3月の雨季は雨が多い時期なんですよ。」
なんて、観光で来られた人に得意げに説明しているそこのあなた!
どうしてバリには雨季と乾季があるか説明できますか?
今回はそんな素朴な疑問に答えられるように、バリ島の雨季のしくみを考えてみましょう
雨が降るしくみを簡単に
そもそも、なんで雨が降るのか、小学校で習ったけど忘れたし…
という声が聞こえてきそうですので、ざっくりおさらい
雨が降る理屈は色々ありますが、一つだけいえば
「海の水が太陽で暖かくなって、雲になって雨になる」
まず、これだけ覚えてれば、子供に聞かれても大丈夫です
それでは
地球で一番暑くて、海水もたくさんあるような場所はどこでしょうか?
それは地球の真ん中 「赤道直下」と呼ばれる地域ですよね
赤道直下の国で、海に面しているようなところは地球で一番雨が降ります。
中南米とか、パプアニューギニアとか、モルディブとか
バリ島があるインドネシアも、正々堂々この赤道直下の国です。
バリ島の気候帯は「サバナ気候」
ここまではいいのですが
それじゃあ、乾季に雨が降らなくて、雨季に雨が降る理由が余計がわかんない
と、なりますよね。
そこで、知ってもらいたいのがバリ島の気候帯です。
「温帯」とか「亜熱帯」とか「ツンドラ気候帯」そういうやつです
バリ島は「熱帯」にはいるのですが、この熱帯の中にも種類があって
バリ島は「サバナ気候」という仲間に入ります
サバナ気候(サバナきこう)とはケッペンの気候区分における気候区のひとつで熱帯に属する。亜熱帯高圧帯の南北移動を原因とする雨季と乾季の明確な分化が特徴である。
ウィキペディア
サバナ気候と聞いたら、まず
「え?サバンナ」
と思う人が多いでしょうが、その通りで、サバンナ=乾燥
そのイメージでいいのです。
熱帯で暑いし、雨も多いんだけど、雨が降らない乾季があって乾燥もするよ
ということです。
サバナ気候のしくみ
このサバナ気候は、地球の緯度(横線)で言うと10度~20度くらいの場所に多いです。
北半球でいえばバンコクとか、南インドのプーリーとかです。
南半球ではバリ島や、オーストラリアのケアンズもそうです
赤道直下、緯度0度の近く(地球の真ん中)は太陽の熱を一番強く受けて、一年中暑く、雲が多くて、雨がふります。
しかし
ここで思い出してほしいのが、地球は傾いて太陽の周りをまわってるということです。
地球の地軸は23度傾いてまわっているので、この太陽エネルギーを一番受ける場所は、赤道を中心に一年を通して変わってきます。
それで季節ができるんでしたよね。
7月8月はこれが地球の北、上のほうに移動します。
すると、北半球のバンコクでは雨が多い雨季にはいって、南半球のバリ島は雨が降らない乾季になるのです。
(正確にはバンコクで一番降水量が多いのは9月10月)
逆に1月2月になると、この雨ゾーンは地球の南、下の方に移動してバリ島は雨季になって、バンコクは乾季になります。
この太陽エネルギーを強く受けて、雨が多いゾーンのことを「熱帯集束帯」というのですが
この、雨多いゾーンのすぐ横には、キレイに晴れた青空ゾーン「亜熱帯高気帯」ができます。
夕立が降った後の空って、きれいに晴れ上がりますよね
あれは、温められた空気が積乱雲になって雨をざぁーっと降らせた後、空気が落ち着いたせいで、すっきりと晴れるのですが、この「亜熱帯高気帯」 も、同じ理屈です。
バンコクが 「熱帯集束帯」 にはいって雨季になれば、バリ島はその大雨を横目に気持ちよく晴れた「亜熱帯高気帯」に入って乾季になるのです。
季節風の影響とインドネシアの気候区分
とは言え
バリ島は南緯(横線)8度なので、本来はそこまでサバナ気候という場所ではないのです。
緯度的にはもっと雨が降ってもいいはずなのです
もっと南に下がって、スンバ島とかフローレス島までいくと完全なサバナ気候になります。
ではなぜ、バリ島は乾季がはっきりしているかというと
バリ島の気候には季節風「モンスーン」の影響もあるからなのです。
季節風をざっくりいうと
冷たいところから、暖かいところへ流れる空気の動きです。
7月8月の南半球は、日本とは反対に冬になるので、バリ島の南にある南半球代表の大陸、オーストラリア大陸は冬になります。
オーストラリアに詳しい人はわかると思いますが、オーストラリアの冬(7月8月)は寒くて、内陸の大部分は乾燥した荒地です。
このオーストラリア大陸の乾いた冷たい空気が、暖かいバリ島のほうに吹き込みます。
その空気が、7月8月の、強い南東よりの風としてバリ島に届くのです。
このオーストラリアからの風が、バリ島に乾季らしく、乾いた涼しい天気をもたらしてくれているのですね。
このオーストラリアからの影響を受けるのも、西側ではジャワ島の東、スラバヤあたりまでです。
中央ジャワや、首都ジャカルタは、体感で知っている方も多いと思いますが、バリ島ほど乾季がしっかりしていません。7月8月でも雨が降ることが多いです。
これは、ジャワ島のほとんどは「熱帯モンスーン気候」といって、7月8月の時期でも、インド洋からの湿った季節風をうけて、この風が雨を降らせることが多いからなのです。
まとめ
ということで
バリ島に雨季と乾季がある理由、理解できましたか?
ざっくりまとめれば
「地球の赤道付近は一番暑いから、雲がいっぱいできて雨が降りやすい。そして、地球が傾いてまわってるせいで、この赤道付近でも若干の季節ができて、1月2月は雨の多いゾーンが南半球にさがってくるせいで、バリ島は雨季になるよ。」
といった感じで
さらに、オーストラリアが熱かったり寒かったりすることでできる「季節風」も関係してるんだよ!
と付け加えられれば完璧ですね!
では、今回はここまで
次回の【バリ島の理科、社会】は どうして年によって雨が多い雨季と、雨が少ない雨季があるのだろう?
という疑問を説明してみたいと思っています。
それでは また!