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船酔いを克服せよ! 脳科学する船酔いとそのコントロール

青い海、晴れ渡った空 肌をくすぐる海風

そんな爽やかなマリンスポーツのイメージも、ボートで船酔いをしてしまったら、青い海も照り付ける太陽も憎らしく感じるほど、ひどい気分になりますよね

船酔いしない人には天国、船酔いする人には同じ状況も地獄!

それほど恐ろしいのがこの船酔い

ヒロユキ
ヒロユキ

今回はそんな海遊びの大敵 ”船酔い” について調べて、解決策を探っていきたいと思います

船酔い、乗り物酔いのしくみ

人類が自分の足で歩かず、乗り物に乗り始めた時から乗り物酔いは始まった。

と語る。乗り物酔い研究の権威 石井正則先生が書いた話によると、乗り物酔いの定義はこうです

乗り物酔いは医学的には動揺病と呼ばれ、目から入る視覚情報と、身体が感じる感覚情報のズレから生じる一種のストレス症状である。

東京厚生年金病院耳鼻咽喉科の石井正則先生

そして

乗り物酔いのメカニズムを理解するために大切なのは

乗り物酔いの3つの段階

  1. 目と体からの感覚にズレが生じる
  2. 脳の偏桃体がストレスとして認識する
  3. ストレスホルモンがでて自律神経が乱れる

この3つを理解することだそうです。

船酔いの3段階

第1段階が、脳に生じる感覚のズレです。

人は体を動かしたときの状況を目(視覚)で確認するほか、耳の奥にある器官で感じています。

人間が”揺れ”を感じているのは、耳の奥にある三半規管という部分です

三半規管の中にはリンパ液とクプラと呼ばれる平衡感覚を感じるセンサーのようなものが入っていて、内部のリンパ液の動きで、前後左右の傾きを感じられるようになっています。

普通は、その両者の情報は一致していますが、車に乗り、突然カーブや急停車があると、目では確認してないはずの力が三半規管に伝わって混乱する

この情報のズレが、乗り物酔いの第1段階です。

ヒロユキ
ヒロユキ

だから、自分が運転してるときは目の情報と感覚情報がズレないから酔わないんですね

そのズレた感覚が偏桃体という人間の好き嫌いや、快 不快を判断する脳の部分に伝わって、不快なもの、嫌やものとして判断されることが第2段階です。

そして、偏桃体がストレスホルモンを出すことで、自律神経のバランスがくずれ、冷や汗、血行の変化、生唾などの症状が起こることが第3段階になり

結果気持ち悪くなるという仕組みです。

船酔いの克服への道

なので、乗り物酔いを克服しようと思えば、この3つの段階にそれぞれ注目して解決策を考えていけばいいということなのです。

結論からいえば、船酔いは克服できます

僕も、子供のころは乗り物酔いがひどくて、小学校の遠足のバスではいつも青い顔をして、エチケット袋を握りしめている子供でした。

東海汽船のフェリーに乗ったときも、あの独特の油臭さに気持ち悪くなりましたし、はじめてダイビングのボートに乗ったときも器材準備するだけで気持ち悪くなりました。

そんな僕もありとあらゆる船の修羅場を味わって、今では荒れた海の船の上でオリーブオイルを飲みながら小説一冊くらい平気で読めるようになりました。

「慣れたから」 と言ってしまえばそれまでですが

では、どのようにして慣れていったのでしょうか?

子供はどうして乗り物酔いをしやすい

小学生くらいの子供は、乗り物酔いをしやすいです。 

でも、0歳から4歳くらいだと逆に乗り物酔いしませんよね

これは、赤ちゃんは乗り物酔いの第一段階、感覚のズレを感じる小脳が発達していないからです。

小学生くらいになると、この小脳が発達します。でもまだ上手く機能しません。

小脳には目や、耳から来た感覚をある程度マイルドに調節して、大脳に伝えるという機能があるのですが、(そのまま伝えると刺激が強すぎることがあるから)敏感な年頃の小脳は、乗り物に乗ったときの感覚のズレを大げさに伝えてしまうんですね

さらに子供は、乗り物に乗った経験が少ないので目からの情報と体の動きをうまく合わせることができません。

初めてバイクに乗った人は、走り出したとき後ろにのけぞっちゃいますが、慣れてくると無意識に体の重心を動かせるようになって、のけぞったりしなくなります。これと同じで、身体が目の情報に対応するためには何回かの経験が必要なんです。

つまり、子供は成長過程で小脳が上手く働くようになること、そしていろんなタイプの揺れをたくさん経験することによって、第一段階の感覚のズレが少なくなり、乗り物酔いに強くなっていくのですね。

大人になっても船酔いするのは

ヒロユキ
ヒロユキ

じゃあ、大人になってもまだ乗り物に弱い人はどういうわけなんだろう?

これは、第二段階の偏桃体が根深く関係しているようです

偏桃体は小脳から送られてきた情報を、好き、嫌い、いい、悪いに判断する場所です

偏桃体の好き嫌いは、その人の記憶や印象と深くむずびついていて、トラウマやPTSDは、偏桃体が過去の悪い記憶を掘り起こすから生じます。

過去に乗り物酔いの悪い記憶が残っていて、それが引き出されてしまうのです。

子供の頃は誰でも乗り物酔いをしやすいです。

その時に、親に厳しく怒られたり、冷たい対応をうけた。たくさんの人の前で恥ずかしい思いをした。

こういった強い記憶がある人は、統計的に大人になっても乗り物酔いをしやすいそうです。

これは別に催眠術や心療内科にいかなくても克服する方法があります。

不安反応を克服するために大切なのは、小さな成功体験の積み重ねです。

例えば、絶対に酔わない短い時間だけ、船に乗ってみる。公園のボートから始めてみる。

揺れを経験した、でも酔わなかった、よかった。という経験をたくさん作るのです。

水が怖い人が、足の届く深さから慣れていくのとおなじですね。

この当たり前の準備をしたうえで、そこからさらに、不安を生み出す偏桃体というものに対峙していきます

大人の船酔いには前頭前野を鍛えろ

扁桃体はもともと、クマに襲われた!など生命の危機に関して、反射的に動けるよう発達した器官ですが

石器時代と違って生命の危機が少ないのに、複雑なストレスが多い現代社会では、不安や怒りを勝手に生み出す偏桃体はやっかいな存在です

こんなネガティブな扁桃体にも、ポジティブな意見を唱えて反論するライバルといえる存在があります

それが前頭前野という脳の部分です。

ここは物事を論理的に客観的にとらえる場所です。 

例えば、ヘビのおもちゃを目の前に投げられたら、びっくりします。

これは、ヘビ=怖い!という偏桃体の判断でびっくりしてストレスを感じるわけですが、このヘビがおもちゃだとわかれば、もう怖くなくなりますよね。

このヘビはおもちゃだ、と認識するのが、この前頭前野の働きなのです。

しかし、世の中にはおもちゃだとわかっていても怖い、という人もいます。

それは前頭前野の働きよりも、偏桃体のほうが強く働いてしまう感じやすい人です。

統計では、男性より女性のほうが乗り物酔いしやすいようです

乗り物酔いしやすい人は成人男性で 11.9%、女性 25.6%と、男女で大きく違うんです

これは男女の脳のしくみの違いが原因で、女性は男性に比べて感受性が高く、記憶と感情を結ぶ偏桃体が強く働くせいなのです。

マインドフルネス瞑想と船酔い

実は、女性でも男性でも、この前頭前野の働きを良くして、脳が勝手にだす不安反応を穏やかにするとてもいい方法があります。

それが瞑想です。

特にマインドフルネス瞑想が前頭前野にいいのです。

マインドフルネス瞑想
直訳すれば、「気づきに集中する瞑想」自分の呼吸と、体が感じているありのままの感覚だけに集中することで、感覚から生まれる”感情”を切り離して見つめ、雑念とストレスをなくすための瞑想 仏教の瞑想の現代版

ヨガを積む人だけでなく、エリートビジネスマンの多くも実践していると話題になることの多い瞑想ですよね

これは瞑想中、前頭前野の働き(体の情報を客観的にとらえる)に集中することで、ストレスを生み出す偏桃体の反応を抑えるというトレーニングなのです

例えるとこうです。

腰痛に悩む人がいます。では、今現在の腰の感覚に冷静に集中して、どのくらい痛いのかを感じます。針が刺さったほどに痛いのでしょうか? 

腰痛に悩む人の多くは、実際の痛みよりも、「痛くなるかもしれない」という不安に悩んでいるのです。そしてその不安こそが実際に体を不調にさせているのです。

事実、この瞑想を2カ月続けることで、不安を感じる偏桃体は5%縮小して、新しい記憶をためる海馬という部分は5%増大し、理性をつかさどる前頭前野の働きが活発になるという研究結果があります。

じつは、フリーダイビングの”息を止める”というトレーニングも、このマインドフルネス瞑想にとても近い働きがあって、前頭前野の働きを良くして、雑念や不安を減らす効果があるんですよ。

ごめんなさい、船酔いの話からだいぶ飛躍しましたね。

つまりは、船の揺れをに対して、身体が揺れているという感覚だけをきちんと感じて、それ以上に余計な感情とむずびつかないよう、脳の体質を改善していくことが大切なんですね。

40代からの船酔い

子供の頃に多い乗り物酔いは、20代には急激に少なくなって、40代を過ぎるとまた増えていく傾向にあるようです。

どうしてなんでしょう?

この原因の多くは自律神経の問題のようです。

自律神経というのは、内臓の働きや、汗をかく、など自分の意志ではコントロールできないような体の機能を動かしている神経です。 

たとえば、オナラが出そうなときに、お尻の力でグッと我慢するのは筋肉をコントロールする運動神経の働き、でもオナラをだそうとする腸の動きはコントロールできませんよね

これが自律神経のはたらきです。

船酔いの第三段階を思い出してください。

扁桃体がストレスホルモンをだして、自律神経の働きを乱すせいで、最終的に冷や汗がでたり、胃が痙攣したりする乗り物酔いの症状が起きる。ということでした

自律神経が乱れやすいと、乗り物酔いになりやすいわけです。

今まで大丈夫だったのに、最近やけに乗り物酔いしやすくなったというあなた!

原因は自律神経の乱れです。

これに関連して、アレルギーがある人も乗り物酔いしやすいというデータがあります。

これは乗り物酔いで自律神経が乱れると体はヒスタミンを放出します。このせいで気持ちが悪くなるのですが、アレルギーのある人は体がヒスタミンを出しやすい人なので、乗り物酔いにもなりやすいのです。なので酔い止め薬の多くは、抗ヒスタミン剤で気持ち悪さを緩和しています。

自律神経と船酔い

逆に考えれば、自律神経を乱さないような生活ができれば乗り物酔いも良くなるということです。

自律神経に悪い2大習慣

わざわざ言うほどではないですが、寝不足とお酒です。

この二つは乗り物酔いの天敵です

ですが、船やボートに乗るときは、仕事の場合をのぞけば、旅行や、楽しいことの最中ですもんね、個人的には寝不足もお酒もしょうがないんじゃないかなって思ってます 笑

なので、完璧にとはいきませんが、ある程度なら自律神経を整える方法があります。

それは熱いお湯を浴びることや、冷たい水がかぶることです。

サウナと水風呂の組み合わせが、寝不足や二日酔いのおじさんに人気なのは、乱れた自律神経をとりあえずで整えてくれるからですよね。

寝不足や二日酔い気味でボートに乗られる方は、朝に熱いシャワーを浴びたり、ボートの上で冷たい水をかぶったりしてみましょう!

船酔い克服のまとめ

まだまだ書きたいこともあるのですが、あんまり乗り物酔いのことばっかり考えていると、気持ち悪くなりそうなので、そろそろまとめたいと思います。

ヒロユキ
ヒロユキ

ここまで読んで、乗り物酔いの仕組みはだいたい理解していただけたでしょうか?

最後に乗り物酔いを克服するための具体的な改善法と対処法についてまとめておきます

根本的に乗り物酔いを克服するために必要なのは

  • いろんなタイプの揺れを経験して、身体に揺れのタイプと対応の仕方を覚えさせることで小脳の感覚のズレを少なくすること。
  • 小さな成功体験を増やして、偏桃体が悪い記憶と結びつかなくする
  • マインドフルネス瞑想で前頭前野を鍛えて、偏桃体の働きを抑えましょう

これは長い目で見た解決方法ですね

いやいや!もっとすぐ効くようなやつないの?

という声が聞こえてきそうなので、僕の経験上から、飲む前に飲む!みたいな対処法をいくつかあげておきますね

  • 大きな船なら真ん中小さなボートなら一番後ろに座りましょう。(縦揺れの幅が違います)
  • サングラスをかけていましょう。(目からの刺激が少なくなって酔いづらいです)
  • 船の先の波に注目して、船が次どんな揺れ方をするか予想して遊びましょう(体が波に対応するようになると酔いづらくなります)
  • 酔うかもしれないと思ったら、冷たい水を顔にかけたり、氷を口にいれたりして、自律神経を整えましょう。また、汗をかくまでスクワットか、腕立てをするのもいいです
  • 船に乗ってるときは意識的にテンションを上げて、歌でも歌って過ごしましょう

いろいろ言いましたが、結局最後の歌を歌って過ごすってのが船酔いに強くなる一番の近道かもしれません 笑

そして、なにより船酔いのメカニズムをしっかり理解している。

これだけでも全然違うんですよ!

それでは今回はこのへんで、ではまた!

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